台東区鳥越の「かくいわ芝田」。江戸の粋が宿る和装小物の数々は、祭人の定番アイテムとして愛用されています。
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一般的に江戸っ子とは、3世代以上、東京に住んでいる人のことを呼ぶ。これは東京の「粋」を理解するには3代は必要だという認識からきているという。ここは東京の下町風情が今なお残る台東区鳥越。東京一の重量があるといわれる「千貫神輿」で有名な鳥越神社にほど近い場所に、江戸っ子として4代目にあたる芝田 健吾氏の「かくいわ芝田 吾希(ごき)」はある。もともとは曾祖父 芝田鹿造氏が、明治32年に浅草 馬道で袋物の販売をはじめたのがはじまりだ。その後、芝田氏の祖父が鳥越で幼稚園用のカバンやブランドバッグなどを製造。父 起夫(たつお)氏が和装小物をはじめ、3人兄妹の長男として生まれた健吾氏が、のれん分けの形でこれを受け継いだ。健吾氏は高校卒業後、アメリカ留学の経験があるが、このときの経験から「海外に出たからこそ、日本の魅力が見えた」と語る。
健吾氏は帰国後、父の手伝いをしながら技術を学び、修行の後、2008年に独り立ちした。「中身が空の状態でも、きれいなフォルムが保たれる。それが、芝田ならではの和装小物です。時代が移り変わっても芝田にしかできないものをずっと創り続けていきたい」。かくいわ芝田のバッグや袋は、型くずれしにくく、フォルムの美しさに定評がある。これは、祖父の代から伝わる教えが息づいているいるからこそ。その教えとは「見える部分は2割しかない。見えない部分の8割に、とことんこだわれ。そこで差がつく」。
情緒あふれる下町の工房に、正確なリズムを刻むミシンの音が響く。あざやかな手さばきで一枚、一枚の布を縫いつけてゆく。「自分が使って気持ちいいものでないと、お客さまにはお渡しできない」と語る芝田氏。「うちの商品には、タグをつけていません。だってタグがなくても一目で『芝田の商品だ』とわかるものを作っている自負がありますから」。
お祭りを粋で彩る芝田の和装小物は、街中でもカジュアルなふだん使いで持つことができる。まさしく、現代の江戸の粋を表現した
逸品だ。
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