オリジナル製品を「蒲田切子」のブランド名で発信し、その名の通り、モダンなデザインの切子を発表しています。
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大正から昭和初期にあたるころ、蒲田には近代的な産業や工芸品を生み出す会社などが集まっていた。東洋のハリウッドを目指した「松竹キネマ蒲田撮影所」をはじめ、タイプライター工場、クリスタル硝子の専門工場、陶磁器の「大倉陶園」など、この頃の蒲田の様子は「蒲田モダン」と呼ばれるほどで、モダンな製品・作品・工芸品が次々と蒲田から生み出されていた時代でもあった。 そんな蒲田モダンの情熱や精神を見直す人々が現在の蒲田にいる。有限会社 フォレスト代表取締役 鍋谷 孝氏もその一人だ。鍋谷氏は「蒲田モダン研究会」という蒲田を愛する有志が集まった会の共同代表を務めている。また、鍋谷氏は自ら設立した「有限会社 フォレスト」においてオリジナルブランド 蒲田切子のプロデュースもしている。切子の制作は江戸切子の伝統工芸士に依頼するかたちで、モダンで美しい蒲田切子の創作に日々打ち込んでいるのだ。
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日本では約170年ほど前からカットグラスのことを「切子(きりこ)」と呼んできた。日本にカットグラスが伝わったのは、西暦600年から700年代と言われ、ペルシャ王朝でつくられていたカットグラスがシルクロードを通って日本へ伝えられたといわれている。 その後、1800年前後にヨーロッパで流行したカットグラスの技術が日本に伝えられ、江戸で始まったカットグラスが、「江戸切子」と呼ばれるようになり、日本の伝統工芸品の一つになった。
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蒲田切子は、ものづくりの町、東京大田区蒲田で生まれたモダンなデザインが特徴の切子である。 「蒲田切子は、伝統的な工芸技術と、東京大田区のものづくりの心を受け継ぎ、〈光をカタチにする〉グラスづくりをめざしています。手にふれて温かみのある切子グラスですので、まずは、お手にとってみてください。」と、穏和な表情で語る鍋谷氏。しかしその目の奥には、蒲田切子に注ぐあふれんばかりの情熱が感じられた。 実際に手にとってみた蒲田切子は、シャープな雰囲気がある江戸切子の、エッジの効いた手ざわりとは確かに違う。持ってみると手にしっくりと馴染む感じがするのだ。そして、硝子であることを忘れてしまうような“あたたかみ”が感じられたのも不思議な感覚だった。 「木のようなぬくもりを持った切子をつくりたかったんです。〈フォレスト〉という社名には、そんな想いも込められています」。モノづくりの地 蒲田には、今でも確かに「モダン」を愛する心が、息づいている。
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鍋 谷 孝さん
鍋谷 孝氏によって1992年 有限会社 フォレスト設立。グラス専門店としてオリジナル製品をつくるようになる。2010年からオリジナル製品を「蒲田切子」のブランド名で発信し、その名の通り、モダンなデザインを取り入れた切子を発表している。2012年1月、国土交通省 観光庁主催の「魅力ある日本のおみやげコンテスト2012」において、オリジナルデザインの蒲田切子「蒲田モダン水鏡ペアセット」が〈LUXURY JAPAN賞〉を受賞。地域では、ものづくりのデザイン関連の仕事なども行っている。
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